神秘の鍾乳洞を巡る。 南城市玉城の玉泉洞
前回ぶらりと寄った港川の名物おばぁのいるてんぷら屋から、さらにぶらっと寄り道すること約5分。
南城市玉城(なんじょうし たまぐすく)にある玉泉洞(ぎょくせんどう)を訪れた。
ここは沖縄本島南部圏の人ならば一度は来たことがあるはず、小中学校の校外学習でもよく利用されるからだ。僕は今回でもう10回以上は来ているはず・・・
昔と今との一番の違いは名前が変わったことだろう。以前は「玉城玉泉洞王国村」だったはずが、いつの間にか「おきなわワールド」に変わっていた。
しかし内部の施設はほとんど昔と変わっていない。ここ「おきなわワールド」は大きく3つのエリアに分かれる。
①玉泉洞(鍾乳洞) ②王国村(昔の古民家が並ぶ土産屋) ③ハブ博物館(読んで字のごとく)
入場時にどのエリアを巡るかによって値段が変わってくる。
www.gyokusendo.co.jp 詳しくはこちらで
今回は①と②の抱合せのチケットを選ぶことに、正直ハブ博物館は腐る程見てるのでもういいや・・・。ま、面白いですけどね、ただ生き物嫌いの方には苦手かも。
ちなみに玉泉洞だけを観るチケットは無し、また後で語るが玉泉洞と王国村はセットになっているのだ。
入口でのおなじみシーン
全画像はクリックで拡大します
玉泉洞(鍾乳洞)への入口は、チケット売り場をすぎて少し左手方向に進んだとろこにある。右手側にはハブ博物館があり、どちらへ進んでも構わない。もちろんチケットは必要だが。
大体の流れとしては玉泉洞→王国村→ハブ。という具合に進むのが一般的。いちおう王国村も玉泉洞を通らずに行くことも出来る。
ちなみに「おきなわワールド」のHPから転載。
玉泉洞は、我々ホモサピエンスがアフリカで誕生するはるか昔、30万年という気の遠くなるような自然の営みが創り上げた鍾乳洞です。1967年3月、沖縄がアメリカ統治にあった頃、愛媛大学学術探検部の調査隊山内浩教授によって玉泉洞の最初の探検・調査が行われ、その全貌が明らかにされました。鍾乳石の数は100万本以上で国内最多、全長は5000メートルで国内最大級といわれる天然記念物の玉泉洞は、県民で知らぬ人がいないほどの有名な観光鍾乳洞となりました。現在890メートルを公開、残りのエリアは研究用として保存されています。
・・・最初に発見した人は真っ暗な洞窟によく入れたものだ。
さて、さっそく鍾乳洞入口に着くとチケットもぎりのオネーサンが「めんそ〜れ〜!」と笑顔で応対してくれる。 沖縄の普通の店で方言でめんそーれー(いらっしゃいませー)なんて言う店はほぼ存在しない。これも観光用の作られた沖縄の一面だ。
こちらも作り笑顔で返してあげた。ではさっそく中へ、と思ったがまた止められた。「ハイ!写真を撮るので出口で気に入った写真が・・(以下省略)」
最近このパターン増えたなぁ。台湾や香港でもあったし・・・アジア圏での流行りなのか。
しかも「シーサーのポーズでおねがいしまーす!」・・・もうヤメテクレ。
いざ地下の異世界へ
今度こそ中へ。十メートル程度下る階段を下りる。すると
幻想的な世界が広がっている。ここまで来ればひんやりと涼しく、地上での蝉の大合唱が嘘のようにピーンとはりつめた静けさが漂ってくる。
この日は週末のため団体客も多く、人の話し声が洞窟の中にこだましていた。やはり中華系の観光客が多くいる。これも以前とは違った点だ。
上の説明でも触れたが、この玉泉洞の観光ルートはおよそ900m。結構歩くので靴などは歩きやすいのを選んだほうがいい、また所々濡れているので足元にも注意が必要だ。(洞窟のため外の風景が見られない、なので体感的にも距離が長く感じる)
またまたHPから転載。
珊瑚を主成分とした琉球石灰岩でできた玉泉洞は、県外の鍾乳洞にくらべ鍾乳石の成長が早く、3年に1mmというスピードで成長しています。鍾乳石の成長が早い理由は、沖縄の気候が影響しています。熱帯・亜熱帯地方の気候は多量の雨水をもたらします。また、土中の微生物はあたたかい地域のほうが活発に活動するので、より多くの二酸化炭素を排出します。雨水はその二酸化炭素を取り込んで弱酸性となり、石灰岩を溶かし込んでいきます。最後に雨水は洞窟の空間へと染み出し、水と石灰岩の成分が分離して鍾乳石が形づくられていきます。
3年で1mm・・・・それでも早い方なのか。この「銀柱」と名付けられた鍾乳石はいったいどれほどの時間を要してできたのだろうか。
天井から剣山を逆さまにしたような場所がある。先端恐怖症の方には画像だけでも鳥肌ものだろう。
水が落ちる様子を見ることが出来る。また人の少ない時には滴り落ちる水滴の音が洞窟に反響して神秘的な雰囲気になる。ぜひ混雑していない時に訪れたい
中間付近にある山場、「青の泉」と「黄金の盃」
これまでのトゲトゲしさのある鍾乳石とは違い、この2つはキメの細かな鍾乳石といった感じ。どこかの国でこんな鍾乳石の温泉があったと思うが・・・どこだっけか。
まぁいいや。
この2つは池のライティングがとても映えていて本当に綺麗だ。というよりも水が物凄く透き通っているためだろう。
ちなみにここには水棲生物もいるので、ぜひ実際に訪れて見つけてみてほしい。
ところで気になることが・・・
これ何だと思いますか? 鍾乳洞の中にある池を撮ったものなんだけど。
実は「コイン」なんです。(この写真はまだいい方で、中には底にびっしりとコインがある池も)
・・・玉泉洞に入って以前と違った点が三つあることに気付いた。
観光客に外国人が多いこと、コウモリがいなくなっていること、そして澄んだ池のいたるところにコインが投げられていたこと。
この「コイン問題」調べてみると今全国の観光地で頭を悩ませている問題のようで。
こちらは世界文化遺産に登録されている忍野八海での問題、NHKでも特集されたようだ。
言わずもがなこれはほとんど外国人観光客の行い。ここ玉泉洞でも英語で書かれた注意書きをいくつも見ることができた。
「文化の違い」とは一言で片付けられない問題だ、ルールとマナーを守って観光してもらいたい。
久しぶりの日の光、そして暑さ。
地上へ出ると涼しい地下世界とは一転、灼熱の現実世界へようこそ。である。
しかし、実はまだ終わりではない。ここからが問題なのだ。
玉泉洞を終え地上に上がると、なんと間髪いれずに王国村の入口に入る。そしてもしあなたが玉泉洞で満足しもう帰りたいと思っても、王国村を抜けるためにまたひたすら歩かなければならないのだ。
ちなみにこの王国村、沖縄古民家風の家々が立ち並んだりしているが要は「お土産ショップ」の集まり。もうこれがひたすら延々と続く・・・本当にリアルな現実世界ではないか。
そして古民家の集落を抜け、新たな建物に入ったと思ったら「琉球ガラス」のお土産店だったり、またそこを抜けると「地ビール工場」だったり。
フォローするわけではないが、もちろんこのようなお土産店も大事だろう。体験的なイベントなどもあるので観光客は喜ぶかもしれない。
しかし、少しばかりは地元民の観光のことも考えて欲しい。僕らがそのような物を不必要としているのは分かるはずだ、せめて玉泉洞を出たあとは「お土産ゾーンショートカットルート」があってもいいではないか・・・。
実際それほどにこの王国村の道のりは長いのだ。
おわりに
とはいったものの玉泉洞はやはりいいところだ(笑) 写真を撮っていても面白いし、ボーッとベンチに腰掛けて鍾乳石を眺めているだけでも良い。
真夏の炎天下でも涼しく自然の中を歩けるのは沖縄でもここだけではないかと思う。
しかもGoogleマップのストリートビューでは360度全方位のパノラマ写真を見ることができた。
Google マップ ←画面をクルクル回して観ることが出来る。
沖縄南部に行く機会があれば一度訪れてみてはどうでしょう。
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