渦中の辺野古へ行ってみました。
みなさんこんにちは!
今日は基地問題で揺れに揺れている、名護市辺野古(へのこ)へと足を運んでみました。恐らく基地建設反対運動者以外でここの場所を訪れる輩は私くらいでは・・・(笑)
よくニュースや新聞で話題になる辺野古。
しかし皆さんが目にしているのは辺野古ではなく、辺野古で行われている抗議活動なのでは?
いったい辺野古ってどんなところなのか?
ここで今、何が行われようとしてるのか?
お遊びジャーナリスト気分で行くわけではなく、いち沖縄県民としてしっかりと見てきました! それでは今日も張り切って行ってきまっしょい(´Д` )
基地問題は複雑です・・・
まず辺野古ってどこにあるの?
ここです。ギリギリ本島北部と呼ばれる位置にあります。
もう少しアップにしてみましょう
名護市の南東、宜野座村との境目ギリギリにあるのが辺野古です。(ちなみに灰色の部分は全て米軍基地!)
上の地図の東の方に出ている、岬の沖付近に新たな基地を建設しようというのが、辺野古基地問題の発端です。正確には普天間基地移設問題なんですけどね。
非常に端折って説明すると、宜野湾市普天間(ふてんま)にある普天間基地を名護市辺野古へ移設しよう。っていうお話。
詳細はもう沖縄県民でも分からないくらい複雑化してます(笑)
とりあえずこの話は記事中でもチョコチョコ説明するとして・・・まずはこの辺野古という町がどんなところなのか見てみましょう。
ここは・・・サイレントヒル?
辺野古は沖縄本島東側、国道329号線をひたすら北上すると見えてきます。那覇からだと高速道路使って1時間ちょいの場所。沖縄高専(沖縄工業高等専門学校)のすぐ目の前にあります。
国道からすぐ見えるこのシンボルが目印
基地周辺に住んでいる県民ならピンとくると思いますが、こういった「Welcome!!」的な看板があるところは、米軍人がよく訪れる、もしくはかつて訪れていた場所。であることを意味します(沖縄市のコザや、金武町のゲート前とか)
しかし、どうやら辺野古の町は後者の方のようです。
集落をグルッと一回りしてみたんですが・・・・
人がいない。 閑散とした雰囲気です。
いやこれはもう閑散というレベルじゃないです・・・生活音が全くしてないといってもいいほどに人の気配がしません。
最初に出会った生物!!・・・・・なんだオマエかよ(´Д` )
ブログにあげるために誇張してる訳じゃありません。本当に人がいません。
しかし、よーく見ると住宅に混じって店舗のような場所も多い。もちろん閉まってはいますが・・・ここがかつて米軍人らが訪れ、活気があったことを思わせます。
この建物に書いてある言葉がその証拠でしょう。
やはりかつてここは良くも悪くも、米軍と共存した町だったのです。
ちなみに辺野古にある米軍基地はキャンプ・シュワブという基地です。
使用が開始されたのが1956年11月。で、紆余曲折あって1997年頃に普天間基地の代替地として候補に挙げられました。辺野古が変わり始めたのはその頃でしょう。
もちろん今でも基地として使用されています。
しかしよく基地周辺で目にする米軍人らは、ここではほとんど見られませんね・・・理由はいわずもがな・・・
歩いていて見つけた唯一開店していたお店
タトゥーショップ。 基地周辺ではよく見る光景ですが、ここで目にすると何か不思議な感覚を感じました。
文字が風化してしまってますが、かつて栄えていた頃の案内図でしょうか。
結構色々な店が立ち並んでいたようです。ほとんどがスナックやラウンジなどの夜の町関係のよう(図右下) ここも歓楽街だったんですね
しかし今やその面影すらも残っていない、か。
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30分ほど歩いてみて、正直これほどまでに過疎っていたとは意外でした。昔来た時はもう少し開いてるお店もあった気がしたのですが・・・
日本、アメリカ、基地反対派、賛成派、環境団体、機動隊、左の人や右の人・・・・
この20年の間、大きな流れがこの小さな町に濁流のように押し寄せてきました。
少しだけ疲れたのかもしれません。
ゲート前抗議活動場所へ
さて辺野古移設抗議活動は海側と陸側の、2つのエリアで行われています。
(海側は後述するとして)この陸側の活動はキャンプシュワブの入口前、国道329号線の歩道で行われています。
実はここでの抗議活動は、これまで常時行われているものではありませんでした。今までは辺野古沖での基地建設に絡む資材などが運搬されるときなどに、この基地入口で抗議活動が行われていたのですが、いつの間にかこの歩道に常設の反対運動設備が設けられてました。
国道329号線を北に向かいます
赤いポイントが抗議活動場所
国道の両サイドはどちらも米軍基地です、地図で見ると一目瞭然ですがここから数キロに渡って国道329号線はキャンプシュワブ内を通ることになります。
先ほどの辺野古集落から歩いて5分ほどの場所に、抗議活動場所があります。
動画があります、まさにこの場所で行われている抗議活動です。
反対派座り込み、怒号響く 沖縄・辺野古沿岸部 - YouTube
百聞は一見に如かず、とりあえず見てみましょう。
辺野古の集落と違い、何と賑やかなこと!(´Д` ) ビックリしました。
私が着いた時にはちょうど集会の最中で、こちらの場所で約20名程の方々が集まって会を開いてました(司会者までちゃんと居る)
えー!?こんなこと毎日やってるの??と疑問に思ってたんですが、本日その理由判明。
辺野古でボーリング調査再開か 4カ月ぶりに作業船(15/11/10) - YouTube
RBC THE NEWS「辺野古沖 ボーリング調査再開へ作業船到着」2015/11/10 ...
何とこの日の朝、これまでとは比較にならないほどの参加者の抗議活動が展開されていたようで・・・(´Д` ) そりゃあ余韻冷めやらぬやら何とやらだ。
資材運搬ゲートは基地入口とは少し離れた場所にあります。奥に見える警察の護送車の場所がそれです。
ゴタゴタは大抵早朝に行われるのですが、毎日午後になっても15名位の警備員がズラッと並んでます(写真は撮ると怒られるのでやめました(´Д` ))
こっちが基地の正面ゲート(米軍基地内を撮ると、保安上の理由で稀に注意されるので気をつけてね)
抗議活動は16時までが原則らしく、この日は時間通りに終了したようです。
皆さん活動場所を後にします・・・
ちなみに殆どの方がバスに乗っていきました。実はこのバス、本島のあちこちから毎日出ているシャトルバスなんです
1,000円かかりますけどね。
海側の抗議活動場所(テント村)へ
さて、基地前の抗議活動場所から車で移動すること約5分。サラサラした砂浜に、静かな海。 そこに海側の活動場所、所謂テント村があります。
辺野古の抗議活動といえばこちらが本丸です。
なんせ4,225日間座り込みしてるから(´Д` )!!さっきの陸側の493日なんて目じゃない。
ではこっちの方もぶらぶらしてみましょう。
無駄に広い砂利広場。実はここには修学旅行生を乗せたバスがしょっちゅう来ます。
平和学習の一環でしょう。以前までは糸満市摩文仁(まぶに)にある平和祈念公園が殆どだったと思うんですが、ここにも来てるんですね。
海は非常に穏やかで静かです
漁港には数隻の漁船が、沖での抗議活動を行う船もここから出ます
漁港は小さく、オジーが釣りをするほどのノンビリとした雰囲気(後光指してるけど)
抗議船でしょうか、沖に1艘見えています。
この写真の奥側(フェンスで仕切られている)がキャンプシュワブの敷地です。つまりこっち側が日本で、あっち側がアメリカ・・・。冗談でギブミーチョコレート!などと大声で叫んだら鉛玉飛んできそうな距離です。
この日は秋空らしからぬ分厚い雲に覆われていましたが、一瞬だけ雲が和らぎました。
海も空も砂浜もとても綺麗です。
砂浜を横断してフェンスまで行ってみます。
親切でとても分かりやすい地図が掲げられてました(笑)
このように建設予定地は岬の沖合にあるので、実際にここからはほとんど見えません。
日本側のフェンスには抗議の横断幕がいくつもあります。
大阪府豊中から・・・
あ。こっちも関西から・・・
長崎。
神戸。。。
長野・・・・。
おいぃぃぃ!全部県外やないかーい(´Д` )!!!(笑)
嘘です。分かってましたけどね(ニヤリ)
しかし本当に穏やかな海なことで・・・。この自然は残しておきたいよなぁ。
一応テント村(村というほどではないですが)も入ってみました
テント内には掲示物が色々とあります
テント内から見る海(大浦湾)
この問題の決着(というか落としどころ)は一体いつになるのでしょうか・・・。
おわりに
とまぁ、これが辺野古です。最初にも述べましたが、殆どの方が辺野古ではなく辺野古の抗議活動を見てるんですね。
実際の辺野古は本当に小さな町で、本当はのどかな集落なんです。これがニュースにはならない本来の辺野古の姿です。県民の殆ども知らないんじゃないでしょうか?
あとこちらでは反対派の活動が盛んですが、県内には辺野古移設賛成派もいます。そちらは那覇市の県庁前などで活動を行ってます。
とにかく何がややこしいことになってるのか、私の意見で言わせてもらうと、各々の利権や政治団体の思惑がゴチャゴチャになってるからです(´Д` )
まずこの問題は、「普天間基地を返還して、辺野古へ基地を造る」ことが最大のポイント。
なので移設反対派にはこういった理由の人がいます。
①辺野古の海が壊されるから反対
(沖縄の海の埋め立て関係は全て反対、例えば那覇空港の埋め立て滑走路も反対)
②新しい米軍基地を造るの反対
(単純に反米軍スタンス、新基地も普天間基地も全部撤去せよ!)→那覇空港の埋め立て滑走路は基地じゃないからOK。
③普天間基地無くなると地代(軍用地代)が入らなくなるから反対
(基地が返還されるとお金が入らなくなる・・・)→移設反対というか、普天間基地の返還に反対。辺野古の問題は。。。。
①は自然環境保護団体系、②は所謂左派(沖縄県民もこっちの理由が多いかも)、③は軍用地保持者
③に関して沖縄県外の方は???だと思いますが、米軍基地(自衛隊基地も)を敷設する際に、元々の土地の所有者に対して国から支払われるお金のことです。合計すると物凄い金額になります。
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では移設賛成派の意見はどうでしょう
①騒音問題などの環境面の改善 →普天間基地がなくなればOK
②沖縄大学への米軍ヘリ墜落事故以来、安全面に対する不安 →普天間基地がなくなればOK
③新基地建設により、辺野古に新たな雇用創出などのメリットが生まれる
→移設先に選ばれたから仕方ない・・・普天間基地の問題はあまり関係なし。
①と②に関してはもうずーーーっと以前から指摘されてました、普天間周辺に住む人の意見。③は辺野古の住人の方の意見です。意外かもしれませんが辺野古住民の移設賛成派は少なくないようです。
つまり反対派には反対する理由がそれぞれあるし、賛成派にもそれぞれあるわけで・・・それらが複雑に、ゴチャゴチャになってるのが今の辺野古の問題なんだと私は思います。
(あくまで私見ですので話半分で聞いて下され・・・)
で。ここからちょっと突っ込んだ話をすると
今回辺野古を訪れてみて物凄い違和感を感じたのが、抗議活動に県外の方が多くいらっしゃったこと。(私は生粋の沖縄人なので内地の人はすぐに分かります(´∀`)キラーン)
まぁ、同じ日本国民だからほっておけない!という気持ちは分からんでもないですが・・・やっぱりこの問題って沖縄(県民)の問題なんだと思うんですよね。
この方々は恐らく米軍絶対反対を掲げていると思うんだけど、沖縄ってそこんとこアメリカと上手く共存共栄してきた過去があるんです。
チャンプルー文化と言われるのがそれですね、料理の方じゃないですよ(´∀`)
あのフェンスに掲げられた横断幕にしろ、バスで来る修学旅行生にしろ、多分過去の沖縄の、そっちサイドの話は知らないのではないでしょうか?
辺野古だって昔は上手くやってたようだし・・・。
なにはともあれ、辺野古の海は今日も綺麗です
はい!政治的な話はこれで終わりましょう。
今回は色々注目されている辺野古がどういった場所か、ってのが記事の目的なんで。
観光地ではないので観光には適してませんが、本当に綺麗な海が広がっていて景色は凄く綺麗です(撮影日はあいにくの曇り空でしたが・・・)
沖縄屈指のリゾートホテル「カヌチャ」のすぐ近くです。
カヌチャに泊まる予定のそこのアナタ、暇でしょ? 辺野古どう?
という事で今回はここまで! ご一読有難うございました。