ぶらり沖縄人

沖縄ではなく、沖縄人がぶらぶらしてるようです

2015 キャンドルナイトinサーベイをぶらり 大宜味村白浜

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7月に入りやっと夏本番といった様子のここ沖縄。毎日うだるような暑さの中、本島北部の大宜味村(おおぎみそん)で何やら涼しげな企画を発見!

ぶらーり行ってみることに。

 

田舎でのイベント事。一度でいいから来てみて・・

場所は本島北部のこんなトコロ(上図)・・・名護市よりも上に位置するため山原(やんばる)といってもいいような場所。

 

正直こういったイベントが行なわれていたとは初耳だった。大宜味村といえば「何がある?」と聞かれてもほとんど答えることは出来ないくらい、ソコソコ田舎の村。 僕個人的には数回キャンプに訪れたことはあるが、おそらく観光客は素通りするような場所だろう。

 

なぜならいかにも沖縄チックな場所が無いから・・・本当の意味での沖縄の原風景は残っているが、残念ながらそういったのは観光で訪れる方々はあまり望んでいない。もっと「ザ・沖縄」みたいな場所を選ぶから・・・。

 

しかしそれではいつまでたっても村が廃れていってしまうので、自治体としては何とか観光客に足を運んでもらおうと、今どこの田舎自治体もあの手この手でイベントを催している。

 

例えば伊平屋村のムーンライトマラソンや、古宇利島のマジックアワーラン、南城市の尚巴志マラソンなど、冬になると各地でマラソン大会が行われる。これも観光産業のイベントのひとつだ。

 

田舎では観光客を呼び込むための施設(箱モノ)が無い、造ったとしてもランニングコストもかかり運営もそれなりにシビアになる。ならば低コストでも年に一度程度イベントを開催して何とか`一度でもいいから'観光客に足を運んでもらい、村(や自治体)を知ってもらおう。といった狙いがこの大宜味村のイベントからも見て取れる。

 

全域が華やかでパラダイスのような観光地にみえる沖縄でも、意外とこういった事に苦労している自治体は少なくないのだ。

 

手作り感は開催地の努力の証

さて、村の公式HPからイベントのポスターを拝見。

 

大宜味村を通る国道58号線を東に向かってすぐにある「白浜」地区での開催のようだ。ここは塩屋湾という湾の突き当りの場所に位置する小さな集落。

 

イベント自体は17時30分から行われており、メインイベントのキャンドルの点灯は19時からと書かれていた。 うーん、今の沖縄で19時といえばかなり明るい・・・、キャンドルの見ごたえがあるのは恐らく20時過ぎたあたりだろう。

 

しかしこういったイベントは遅めに行くと大体痛い目にあう・・・ここは明るくとも早めに着いたほうが良さそう。ということで18時に現地到着(後にこれが功を奏した結果になった。19時過ぎから会場周辺が渋滞となり、臨時駐車場も空きがなかったらしい)

 

 

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白浜集落の全景、湾の海沿いに家々が点々としており裏手は全て山のためちょうど海と山に挟まれた立地になっている。

 

集落へは「臨時駐車場」とかかれた場所から歩いて5分程度で着くことができた。よく見ると集落へ続く沿道に2リットルの空ペットボトルを切って作られた、手作りのロウソク入れが約1mおきに並べられていた。そしてその中には1本ずつロウソクが・・・これ、千や二千じゃきかないほどの数だ。

 

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湾になっている集落の沿道を歩いてみる。

 

海沿いの堤防にもすでにキャンドルが設置済み、おそらくここにあるのは先ほどのロウソクとは違い「キャンドル作り」のイベントで作られたひとつひとつ手作りのキャンドルだろう。ロウの部分の色が様々な色をしていて、キャンドルを見ているだけでも楽しい。

 

静かな中響くエイサーや音楽

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海沿いを歩いていると200mほどで行き止まりになる。

 

そこはちょっとした広場になっていて、どうやらここがメイン会場となるステージのようだ。すでに会場には、備えつけのイスやテーブルに腰掛けてビールや焼き鳥を片手に団欒している方々の姿が見られた。

 

まだステージでは出し物が始まる様子はなく、スピーカーからはハワイアンミュージックが流れていた。どうやらこの後には子供達によるフラダンスの出し物が始まるらしい。ステージの前の客席では、我が子のシャッターチャンスを逃すまいと三脚にカメラをセッティング中の、お父さんと思われる方を数名発見した。

 

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キャンドル点灯の19時が近づくと、この広場とは別の場所でエイサーが行われた。

 

こちらも規模としてはあまり大きくない、大太鼓が5.6名で締め太鼓が10名程度・・・あとチョンダラーが1人(笑) 正直チョンダラーは1人ではキツい、せめてもう1人いれば演者も楽なのだが・・・。(経験あり)

 

チョンダラーとは太鼓連中がエイサーを踊っている傍で、観客を盛り上げる役の人のこと。顔を白塗りにして、観客の笑いをとるのが仕事。←が、大抵はスベり芸。

 

京太郎は元々は日本本土から渡来した念仏の芸であったが、古くからエイサーの中の重要な要素であった。これを務める男性は顔面を白く塗り、勇壮な太鼓打ち、優美な手踊りの脇で道化役を演じる。また時には隊列の整理役なども担う。

エイサー - Wikipedia

 

 

暗くなるまで待つべし。見頃は20時頃か

約15分ほどのエイサーが終了すると、19時のキャンドル点灯の時間になった。

 

防災スピーカーと思われるスピーカーから「キャンドル点灯」の声がかかる。すると運営スタッフ(おそらく自治体職員や地元の方々)がどこからともなく一つずつキャンドルに火を灯していく。

 

空はまだ明るく、暑さも全く変わらない・・・しかも湾の奥のためか風が全くといっていいほど吹いていない。 

 

なるほど、そんな立地だからこその「キャンドル」なのか。このとき初めて分かった気がした。

 

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点灯後は奥の広場でイベントが始まったようだった、先ほどのハワイアンミュージックが再度流れ始める・・・ここは沖縄なのに、なぜかこの雰囲気と音楽がマッチングしているのが面白い。

 

もう少し日が暮れるまで、止まる気配のない汗を無視しつつ遠くで流れる音楽を聞きながらボーッと海を見て待つことに・・・

 

 

そして 20時。

 

 

 

 

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幻想的な雰囲気が塩屋湾を包む。

 

この日の沖縄は、南方海上にある台風の影響もあって風は強かったのだが、ここ塩屋湾ではほとんど微風の状態で海面は凪に近かった。

 

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左上に見える空中に浮かぶ赤い光跡は、空撮中のドローンの光跡。

海に浮かぶキャンドルの列が、空港の滑走路を思わせた。

 

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そして写真をよく見ると分かるが、こちら側とは反対側の湾の淵にもキャンドルが点灯している。

 

暗くなるまで全く気付かなかったのだが、このキャンドルは塩屋湾をほぼ1周していたのだ。 向こう側は行っていないので分からないが見えている範囲の湾は全周キャンドルが灯されていた・・・・凄い、大宜味村の本気を見た気がした。

 

来年もまた来よう、ぜひオススメします。

最初イベントの内容を知ったときは、なるほどローコストで上手い事考えたな。と思った。

 

電飾などのイルミネーションのようにコストはかからないし、それでいて涼しい夕方から夜にかけてのイベント(17時30〜22時まで)なので客も足を運びやすい、キャンドルに火を灯す手間はかかるがそれは仕方のない事だろう、と。

 

しかしこの湾の周囲を巡るキャンドルを見て驚いた・・・いったいいくつあるのだろう。

あの19時の放送で実は対岸でも一斉に点灯が行われていたとは思ってもみなかった。

 

キャンドルという単純なものだからこそ、大変な労力と準備がかかったに違いない。

 

 

運営スタッフの皆様、大変お疲れ様でした、そして有難うございました!また来年も楽しみにしてます。

 

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www.vill.ogimi.okinawa.jp

 

それから大宜味村では来る7月11日(土)に大保ダムにて「第6回大保ダムまつり」を行うそうです。観光客の皆さん、是非参加を! 

アノ有名水族館なんていつでも見れる!こっちへGO!